第16回ワークショップ

 日時: 2013年10月27日(日) 14:00〜18:00
 場所:専修大学神田校舎7号館783教室
  (〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8)

 タイトル:精 神分析における「対象」の問題

 司会    : 原和之(東京大学)

 提題者 : 荻本芳信(医療法人 アネモス会荻本医院)

      対象aと欲望、ジュイッサンスについて
      ―「不安」のセ ミネール、さらにその後のラカンの展開

提題梗概:ラ カンの対象、ラカンが発明した対象は対象aである。一方でフロイトの場champ freudienがdésirだとすると、ラカンの場はjouissanceである。対象とjouissanceを意識したラカンのことばとして、 sublimationの定式であるélever l’objet à la dignité de la Choseをまずとり上げる。この定式を読み解くにはフロイトの『心理学草稿』」の第2部、「ヒステリー性強迫」におけるdas Dingについての記述を見逃してはならない。対象aはまたplus-de-jouirでもある。この間の懸隔をどのように読み取るかが課題となる。

 提題者 : 上尾真道(京都大学人文科学研究所学術振興会特別研究員)

      精神分析実践とマゾヒズム―教育のドラマをめぐって

提題梗概: 60年代後半にラカンが分析の終結に関して与えようと試みた定式では、分析家と対象aとの構造的な位相の一致が示されていた。この位置について、本発表で は、彼のマゾヒズム論との関連から光を当ててみたい。特に、精神分析の「教育」という文脈に関連付けることで、「カントとサド」の思想圏のいわば“脇”で 展開したマゾヒズム論の可能性を取り出せないか、試みたい。

各提題のあとに質疑応答の機会を設け、最後に提題者およびフロアの間での議論の時間をとる予定です。 

    以 上